エックスサーバーで複数サイト運営するときドメインは複数必要?
エックスサーバーで「2つ目のサイトを作りたいけど、どうすればいい?ドメインは複数必要なのか?」と悩む人は多いです。
実は、エックスサーバーでは1契約で複数サイトを運営できる仕組みがあり、追加の契約は不要。
この記事では、
- 独自ドメイン(マルチドメイン)
- サブドメイン
- サブディレクトリ
この3つの方法で複数サイトを作る具体的な手順を、初心者にもわかりやすく解説します。
それぞれの特徴や注意点も比較しながら紹介するので、あなたに最適な方法がわかります。
まず結論|エックスサーバーで複数サイト運営するとき、ドメインは複数必要な場合もある

結論から言うと、運営方法によって異なります。
エックスサーバーでは「1契約で複数ドメインを使える」ため、必ずしも新しいドメインを取得する必要はありません。
1. 完全に別サイトとして運営したい場合
→ 複数の独自ドメインが必要です。
たとえば「travel-blog.com」と「job-info.jp」のように、テーマや目的が異なるサイトを運営するなら、ドメインを分けることでブランドやSEOを独立させられます。
この場合、各ドメインごとにWordPressをインストールし、それぞれ別サイトとして管理します。
2. 同一ブランドの中でページや機能を増やしたい場合
→ 既存ドメインの中でサブドメインやサブディレクトリを利用できます。
例:
- サブドメイン型 …
shop.example.com(ショップサイト) - サブディレクトリ型 …
example.com/blog(ブログページ)
このように、同一ドメイン内に新しいサイト構成を追加すれば、新しいドメインは不要です。
3. 判断の目安
| サイトの目的 | ドメインが必要か | 例 |
|---|---|---|
| 全く別ジャンルの新サイトを作る | 必要 | travel-blog.com と job-info.jp |
| 同ブランドの別コンテンツを作る | 不要 | example.com/blog |
| 一時的なキャンペーンサイトを作る | 不要(サブドメイン推奨) | campaign.example.com |
まとめると、
- サイトのテーマを完全に分けたいなら新しい独自ドメインを取得
- 同じブランド内で追加したいなら既存ドメインを活用
これが、エックスサーバーで複数サイトを運営する際の基本判断です。
最短で2つ目のサイトを公開する手順
エックスサーバーで複数サイトを作る場合、もっとも一般的で簡単なのは「独自ドメインを追加してWordPressをインストール」する方法です。
ここでは最短で公開まで行う手順を5ステップでまとめます。
全体像(5ステップ)と前提チェック
まず、以下の準備ができているかを確認しましょう。
前提チェック
- Xserverのアカウントを持っている
- 管理画面(サーバーパネル)にログインできる
- 新しい独自ドメインを取得済み(または取得予定)
最短手順5ステップ
- 独自ドメインを取得(例:お名前.com・Xserverドメイン)
- Xserver「サーバーパネル」>「ドメイン設定」>「ドメイン追加設定」
- 無料独自SSL設定を有効化
- 「WordPress簡単インストール」から対象ドメインを選択
- サイトURLで表示確認(https://で開ければOK)
ここまでで、新しいサイトの立ち上げは完了です。
基本ルート(独自ドメイン追加→SSL→WordPressインストール)
最も再現性が高く、初心者が失敗しにくいルートです。
- ドメイン追加設定
サーバーパネル > ドメイン設定 > ドメイン追加設定 を開き、取得済みの独自ドメインを登録します。
ネームサーバーがXserverになっていれば、数分で反映されます。 - 無料独自SSL設定
同じ画面の「SSL設定」から、ドメインを選んで「無料独自SSLを設定」。
有効化には数分〜1時間程度かかります。 - WordPress簡単インストール
サーバーパネル > WordPress > WordPress簡単インストール。
対象ドメインを選び、ブログタイトル・ユーザー名・パスワードを入力して実行します。
これで、1つ目のサイトとは別のURLで新しいWordPressサイトを運営できるようになります。
公開確認チェック(URL/SSL/ログイン/固定ページ表示)
設定が反映されたら、以下を確認しましょう。
- 「https://〜」でアクセスできる
- 鍵マーク(SSL)が表示されている
- WordPress管理画面(/wp-admin)にログインできる
- 投稿や固定ページが正常に表示される
ここまでできれば、2つ目の独立サイトが完成です。
複数サイトは3つの方法で作れる。目的別フローチャート
複数サイトの作り方は、次の3通りがあります。
どれを選ぶかは「目的」と「管理のしやすさ」で決まります。
| 方法 | URL例 | 向いているケース | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 独自ドメイン(マルチドメイン) | example1.com / example2.com | 全く別ジャンル・ブランドで運営 | ★★★ |
| サブドメイン | shop.example.com / blog.example.com | 同ブランドで別機能を運用 | ★★☆ |
| サブディレクトリ | example.com/blog / example.com/shop | 同ジャンル内で記事を分けたい | ★☆☆ |
たとえば、
- ブログ+ポートフォリオなら「サブドメイン」
- 同ジャンル内の特化サイトなら「サブディレクトリ」
- 完全に別テーマ(例:グルメサイト+転職サイト)なら「マルチドメイン」
このあと、それぞれの方法を具体的に解説します。
方法① 複数の独自ドメインを設定する(マルチドメイン)

エックスサーバーでは、1契約で複数の独自ドメインを追加できます。
たとえば「mainblog.com」と「subblog.jp」を同時に運営することも可能です。
この方法はまったく別のテーマ・ブランドでサイトを分けたい人に最適です。
独自ドメインを取得してサーバーに追加する手順
手順は以下の3ステップです。
- 独自ドメインを取得する
おすすめは「Xserverドメイン」または「お名前.com」。
取得後、ネームサーバーを以下のように設定します。
ns1.xserver.jp ns2.xserver.jp ns3.xserver.jp ns4.xserver.jp ns5.xserver.jp - サーバーパネルにドメインを追加する
ログイン → 「ドメイン設定」 → 「ドメイン追加設定」へ。
取得したドメインを入力して「確認画面へ進む」→「追加する」をクリック。
数分で登録が反映されます。 - 無料独自SSLを設定する
同じサーバーパネルの「SSL設定」から、対象ドメインを選んで「無料独自SSLを追加」。
「SSL設定反映待ち(数分〜1時間)」と表示されたらOK。
ドメイン設定後のWordPressインストール方法
次にWordPressをインストールします。
- 「WordPress」>「WordPress簡単インストール」
- 対象ドメインを選択
- 「インストールURL」は空欄のまま(ドメイン直下に設置)
- ブログ名・ユーザー名・パスワードを入力して実行
完了後、「インストール済みWordPress一覧」に表示されればOKです。
ドメイン直下でサイトが立ち上がり、「https://example.com」でアクセスできるようになります。
SSL設定とサイト公開の確認ポイント
SSL反映には少し時間がかかるため、しばらく待ってから次を確認します。
「https://example.com」で開ける鍵マークが表示されている
WordPressのダッシュボード(/wp-admin)にログイン可能
注意点:
- SSLエラー(NET::ERR_CERT_COMMON_NAME_INVALID)が出る場合は、SSL設定の再実行を。
- DNS伝播には最大72時間かかることがあります。
向いている人/向いていない人
向いている人
- 別ジャンル・別ブランドでサイトを運営したい
- 収益サイト・ポートフォリオ・企業サイトを分けたい
- 複数ドメインを持っている
向いていない人
- 同一テーマ内で記事を追加したいだけ
- ドメイン管理を一元化したい
方法② サブドメインでサイトを作る
サブドメインとは、1つのドメインを分割して複数の独立したサイトを作る方法です。
URLの例は「blog.example.com」「shop.example.com」のようになります。
メインサイトの信頼性を活かしつつ、別機能・別テーマのサイトを追加したいときに便利です。
サブドメインの仕組みと作成手順
サブドメイン作成の流れ:
- サーバーパネルにログイン
- 「ドメイン設定」>「サブドメイン設定」
- 対象ドメインを選び、サブドメイン名を入力(例:shop)
- 「確認画面へ進む」→「追加する」
- 自動的に新しいディレクトリ(例:/public_html/shop/)が作成されます
作成後は、メインドメインと同様に「SSL設定」から無料独自SSLを有効化しておきましょう。
WordPressをサブドメインにインストールする方法
- 「WordPress簡単インストール」を開く
- 対象ドメインで、インストールURLにサブドメインを選択
(例:「shop.example.com」) - 通常通りブログ名・ユーザー情報を入力
- インストール完了後、「https://shop.example.com」で確認
サブドメインごとにWordPressが独立して動作するため、テーマやプラグインも自由に変更できます。
ただし、メインサイトとは完全に別インストールになる点に注意しましょう。
複数サイトのURL構成とSEO上の注意点
サブドメインは独立したサイトと見なされるため、SEO上も別ドメイン扱いになります。
- 🔸 メリット:サイトごとにテーマを切り替えられる
- 🔸 デメリット:ドメインパワーが分散しやすい
- 🔸 対策:内部リンク・共通メニューで関連性を補強する
また、Googleサーチコンソールやアナリティクスはサブドメイン単位で登録が必要です。
この設定を忘れると、正確なデータが取れないので注意してください。
向いている人/向いていない人
向いている人
- メインブランド内で別事業・別カテゴリを展開したい
- 同一ドメイン下で複数の独立サイトを運営したい
向いていない人
- 完全に別ジャンルのサイトを作りたい
- ドメインパワーを統合したい(SEO目的)
方法③ サブディレクトリでサイトを増やす
サブディレクトリとは、同じドメインの下にフォルダを作り、その中で別サイトを運営する方法です。
URLの例は「example.com/blog」や「example.com/shop」となります。
同一テーマの中でカテゴリーや企画を分けたいときに適しています。
フォルダ作成からサイト構築までの流れ
サブディレクトリで新しいサイトを作る手順は次のとおりです。
- サーバーパネルにログイン
- 「ファイルマネージャー」を開き、対象ドメインのフォルダ(例:public_html)を選択
- 「新しいフォルダを作成」し、任意の名前を入力(例:blog)
- 「WordPress簡単インストール」を開き、インストールURLに「example.com/blog」を指定
- 通常どおりインストールを実行
これで「https://example.com/blog」で独立したWordPressサイトを運営できます。
用途とSEOの注意点
サブディレクトリ構成の特徴は、同一ドメイン配下に複数のサイトを置く点です。
そのため、ドメイン全体の評価を共有しやすく、SEO面ではもっとも有利とされています。
ただし、WordPressを複数インストールする形になるため、テーマやプラグインの管理が複雑になる点に注意が必要です。
また、アクセス増加時には同一サーバー内で負荷が集中しやすく、キャッシュやCDN設定を併用すると安定します。
共通トラブルと解決策
サブディレクトリ運営でよくあるトラブルを以下にまとめます。
| トラブル内容 | 原因 | 対処方法 |
|---|---|---|
| 403エラー(アクセス拒否) | ディレクトリのパーミッション設定 | public_html配下で755に修正 |
| SSLが有効にならない | 設定忘れ・URLがhttpのまま | SSL設定を再実行し、URLをhttpsに変更 |
| サイトが表示されない | キャッシュ・DNS未反映 | ブラウザキャッシュ削除、最大1時間待機 |
この方法はシンプルながらも運用経験が求められるため、最初の複数サイト構築には向きません。
メインサイトを持ち、拡張的に運営したい場合に適しています。
向いている人/向いていない人
向いている人
- 同一テーマ内でジャンルを分けたい
- SEOを一元化して運営したい
- 既存サイトの一部として新企画を追加したい
向いていない人
- 別ブランド・別テーマのサイトを立ち上げたい
- WordPressの管理を分けたい
誤解しがち|WordPressマルチサイトとの違い
複数サイトを運営するとき、「WordPressマルチサイト」と混同されるケースがよくあります。
しかし、これはエックスサーバーの複数ドメイン運用とはまったく別の仕組みです。
マルチサイトの仕組みと特徴
WordPressマルチサイトは、1つのWordPressインストールから複数サイトを管理できる機能です。
サブドメイン型またはサブディレクトリ型を選び、1つの管理画面で複数のサイトを扱います。
メリット
- テーマ・プラグインを一括管理できる
- 管理画面の切り替えが簡単
デメリット
- 1サイトで不具合が発生すると全体に影響する
- 権限設定やSSL対応が複雑になる
- プラグインの互換性に制限がある
いつ使うべきか、いつ避けるべきか
マルチサイトは企業内の複数ブランドサイトや、大学・自治体のように共通システムを運用したい場合に向いています。
一方、個人や小規模運営では、設定やトラブル対応の難易度が高く、通常の「複数ドメイン運用」を選ぶ方が安全です。
複数サイト運営の実務ポイント
複数サイトを持つと、サーバー管理・バックアップ・セキュリティの重要性が一気に高まります。
ここでは、運用を安定させるための実務面を整理します。
プラン別の容量・パフォーマンス目安
| プラン | 容量 | 同時アクセス耐性 | 複数サイト運営目安 |
|---|---|---|---|
| スタンダード | 300GB | 中 | 3〜5サイト程度 |
| プレミアム | 400GB | 高 | 5〜10サイト |
| ビジネス | 500GB | 非常に高 | 10サイト以上 |
画像・動画を多く使うサイトや、PVの多いブログを複数持つ場合は、上位プランへの切り替えを検討しましょう。
セキュリティとバックアップの基本
- 自動バックアップ機能を有効化する
Xserverでは自動バックアップが標準で利用可能。
個別に復元できるよう「バックアップ・リストア」機能を確認しておくと安心です。 - WAF(Webアプリケーションファイアウォール)をオンにする
サーバーパネル > セキュリティ設定 > WAF設定 から有効化。 - WordPress更新を怠らない
テーマやプラグインの更新を定期的に行い、不要なプラグインは削除します。
複数サイト管理をラクにする仕組み
サイトが増えるほど、更新やログインが煩雑になります。
以下の方法で管理を効率化しましょう。
- パスワード管理ツール(1Passwordなど)を利用する
- 定期メンテナンス日を決める
- 共通テーマやプラグインを統一して管理コストを削減する
- サイトマップや運用表をスプレッドシートで共有する
まとめと次のステップ
ここまで、エックスサーバーで複数サイトを作る3つの方法を紹介しました。
どの方法にもメリットと注意点があり、自分の運営スタイルに合った選び方が重要です。
ケース別の最適解まとめ
| 運営目的 | おすすめ方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 別ジャンル・別ブランドで独立サイトを作りたい | 独自ドメイン(マルチドメイン) | 完全に分離できるが管理が増える |
| 同一ブランドで別機能や企画サイトを作りたい | サブドメイン | メインサイトの延長として使いやすい |
| 同一テーマ内でカテゴリーを分けたい | サブディレクトリ | SEOに強く、統一感のある構成が可能 |
マルチドメインは「別の家を建てる」イメージ、
サブドメインは「同じ敷地に別の建物を建てる」イメージ、
サブディレクトリは「家の中に部屋を増やす」イメージです。
運営目的によって、最適な方法を選びましょう。
次のステップ(ドメイン取得・Xserver設定ページへ)
複数サイトを立ち上げる準備が整ったら、次のステップに進みましょう。
Step 1:独自ドメインを取得する
ドメイン取得サービスを利用して新しいドメインを用意します。
おすすめ:
Step 2:Xserverでドメインを追加設定
サーバーパネル > ドメイン設定 > ドメイン追加設定
SSL設定とWordPressインストールまで一気に行うとスムーズです。
Step 3:公開確認と管理体制の整備
サイト公開後は、Googleサーチコンソールとアナリティクス登録を忘れずに行いましょう。
運営サイトが増えるほど、分析とメンテナンスが成果を左右します。
まとめ
エックスサーバーは、個人から法人まで安心して複数サイトを運営できるサーバーです。
1契約でマルチドメインが無制限に使えるため、コストを抑えて柔軟にサイト展開ができます。
最初の設定は少し複雑に見えますが、手順を理解すれば非常に安定した運用が可能です。
目的に応じて、最適な構成を選びながらサイトを増やしていきましょう。

